アクリル絵の具の筆おすすめ8選!画家が用途別の選び方を解説

こんにちはAYAKAのアクリルArt Bookへようこそ!

今回は
5年間絵を描いてきたアクリル画家の目線から
おすすめする筆を紹介していきます!

私も最初は自宅にあった筆を適当に使って絵を描いていました。

なんて悶々としていた時期がありました。

ですが、画材店さんに行って適材適所な筆をゲットしたら、
描くのもスムーズになり、描く時間も短くなったし、
描きたいと思っていた表現が出来るようになったんです!

要するに、
「私は絵が描けないんだ…」と思っていたのは、
実は適材適所な筆を選んでいなかっただけだったんです!

私目線で、どんな筆があるのか、
そして、どういった時にどういった筆が適しているのかを
紹介していきます!

アクリル絵の具の筆の選び方【毛の種類】

まずは筆の毛の種類について説明していきます。
毛の種類によって、硬め、柔らかめと弾力が違うんですよ!

ナイロン

人工の筆です。
値段もそこまで高くなくて、しっかりとした弾力もあり、使いやすい毛質です。

硬すぎ、柔らかすぎずなので、たっぷり絵の具を塗りたい時にも重宝しますし、
水彩画風に描きたい時にも重宝します。
(※油絵風にコッテリと絵の具を乗せた時にはちょっとコシが弱いです。
豚毛ぐらいの方が良いと思います。)


アクリル絵の具は乾くと固まってしまうので、
初心者の方は動物の毛では無く、
そこまで値が張らないナイロンを使うのが無難かと思います。

筆の洗い方も、動物毛の筆ほど神経を使わなくてもよいのも、
初心者の方に向いている理由です。

リセーブル

天然毛に近づけるため、
繊維一本一本にキューティクルのような凹凸加工を施した
合成繊維毛の筆です。

コシがあり、従来のナイロンの筆よりも絵の具を含みやすく、
洗う際も絵の具が落ちやすい、
とても使い勝手の良い筆です。

普通のナイロンの筆よりは若干値が張ります。

動物毛(天然毛)

馬やイタチやリスなどの動物の毛を穂先に使用している筆です。

中でも豚の毛の筆は一番硬いので、
粘り気のある絵の具をコッテリと乗せたい時や、
ドライブラシ技法(かすれ)といった使い方をしたい時に役立ちます。

例えば、木の幹や、遠くにある木立などを描く時は
『豚毛』の筆で描く事が出来ます。

動物毛(天然毛)はナイロンの人工毛に比べて、絵具の含みが良い筆です。
猫<ヤギ<リス<イタチ<狸<馬<雄牛<豚の順に毛質は硬くなっていき、
それぞれの毛質に特長がみられます。

ポイント
・初心者の方には、手入れし易く、安価で購入できる
ナイロンの筆をおすすめ!
・ドライブラシ技法(かすれ)をしたい時には
豚毛の筆をおすすめ!

アクリル絵の具の筆の選び方【筆の長さ】

筆も長い筆、短めな筆があります。
どちらがどういう時に適しているのか、見ていきましょう!

柄の長い筆

柄の長い筆は筆先より遠いところを持って描くと、
絵全体を確認しながら作業を進めていく事が出来ます。

20号以上のような大きな絵を描いていると、筆先に集中してしまい、
集中して描いた後に離れて見たら
全体のバランスが崩れてしまっている!なんて事もあります。

ですが、柄の長い筆の筆先より遠いところを持って描いていれば、
絵全体が目に入るので、そういった事が起こりづらくなります。

柄の短い筆

柄の短い筆は、細かく描いていく時に向いています。
そこまで大画面ではない作品を描いていく時は、
短い筆の方が描きやすいです。(長さは必要ありません!)
手元に集中して描きたい時は短い筆を選びましょう。

ポイント
・支持体と距離感を保ちながら描いていきたい時は
柄の長い筆がおすすめ!
・手元に集中して描いていきたい時は
柄の短い筆がおすすめ!

アクリル絵の具の筆の選び方【穂先の形】

次に筆先の形の種類と、その用途について詳しく説明していきます。

ラウンド(丸筆)

大きな範囲を塗る事も出来るし、
毛先を使えば細かく描く事も出来る、
用途範囲の最も広い一番スタンダードな筆です。

どれを買えば良いか分からない時も、
とりあえずこの形の筆が大中小とあれば、
ある程度の物は描く事が出来ます。

フラット(平筆)

画面を大きく塗りたい時に向いています。
平らな面でフラットに塗る事が出来るので、
アクリルガッシュなどをフラットに
ムラなく塗りたい時に適しています。

筆先を使えば、綺麗な細い線を引くことも出来ますし、
角を使えば細かな角を塗る事も出来ます。

また、筆の面が大きいので、グラデーションやボカシの作業にも役立ちます。

フィルバード

平筆の角が丸くなった様な形をした筆です。
この筆も色んな場面で使い易く、持っていると非常に便利です。
丸筆よりも広い面が塗れるし、
平筆の様な角が出ないので、
下書きや、大まかに勢いよく描きたい人には
1番最適な筆だと思います。

AYAKA

私もこのフィルバードが1番好きな筆で、
ほぼほぼこの筆で絵を完成に近付けていることもあるよ!

ファン(扇形)

不思議な形をしているので、何に使うのだろう?と思う方も多いと思います。

この筆は主に、色をぼかす時に使用します。
グラデーションを作る時にも最適です。
また、毛先に絵の具を付けてウネウネと動かすと、
沢山の波模様の様なものが描けます。

ライナー、スクリプト

毛先の丸い細筆です。
細い線を描く際に使います。
穂先が長いので、絵の具をしっかり吸わせる事が出来ます。
一定の長いラインを描く事が出来る筆です。

面相筆

これも毛先の丸い細筆です。
ライナーやスクリプトと違い、
穂先が短い筆があるので、
細かいものを描くのに適しています。

刷毛

刷毛があると、
大きなキャンバスの広い面を塗る時に役立ちます。

下地塗りや、仕上げのニス塗りの時も
刷毛があると作業効率がグンと上がります。

また、面積が大きいので、グラデーションも作りやすいです。

ポイント
•山脈の尖った感じを描きたい時は
『フラット(平筆)』がおすすめ!
•雲を描く時は、ぼかしながら描ける
『ファン』がおすすめ!
•大まかに勢いよく描いていきたい時は『フィルバード』がおすすめ!
•緻密なものを描いていきたい時には『面相筆』がおすすめ!

アクリル絵の具の筆の選び方【大きさ(号数)】

もう一つ、筆を選びに行った際に悩むのは、
筆の大きさ(号数)だと思います!
どの号数がどんな時に適しているのかを見ていきましょう!

筆の大きさ(号数)0~4号

細かいものを描き込みたい時にはこの号数が適しています。

はみ出したくない様な、細かくて繊細な描写や、
細い線を描くことが出来ます。
小さい文字(サインなど)を描きたい時にも重宝します!

髪の毛や、葉脈、遠くの小さいもの等を描く時はこの号数!

AYAKA

バナナの頭の繊維や、小さなシミは
0~2号を使って描いてるよ!

筆の大きさ(号数)6~14号

20号サイズ位の大きさのキャンバスまでは
6~14号の筆を使い分けて、モチーフの大まかな塗り分けをしていく事が出来ます。

AYAKA

これは20号のキャンバスなんだけど、
ほぼ6号と14号のフィルバードで描き上げたよ!

AYAKA

こちらはSMサイズのキャンバス。
背景やテントウムシの赤いところは
6号のフィルバードで描いたよ!

筆の大きさ(号数)16号以上

大きなキャンバスのモチーフを塗る時や、
大きな面塗り、背景、下地づくりなどに使用出来ます。

20号以上の大きなキャンバス等に描いていく時は
16号以上の筆を持っていると作業がはかどります!

【本命】アクリル絵の具におすすめの筆

ではここからは、
私が実際に絵を描く時に使っている
おすすめの筆を紹介していきます!

アクリル絵の具におすすめの筆①油絵風の厚塗りに最適な豚毛の丸筆

ラウンド(丸筆):名村大成堂 豚毛 HK筆 8号

こってりと絵の具を支持体にのせて、油絵風に描いていきたい時に使います。

アクリル絵の具におすすめの筆②極細ラインが描ける面相筆

小筆:名村大成堂 ナイロン PCセブール 0号

髪の毛や葉脈などの極細で緻密なラインを描く時に使います。

アクリル絵の具におすすめの筆③細部を大胆に塗る時に便利な面相筆

面相筆:名村大成堂 イタチ毛 SC丸ゴシック 小

絵の具の吸いが良く、大きな画面の細部を塗る時に使います。
小さなモチーフだけれど、しっかり絵の具をのせていきたい!
という時に最適な筆です。
はみ出したくない!でも大胆に塗っていきたい!
そんなワガママを叶えてくれるような筆です!

アクリル絵の具におすすめの筆④点描等の緻密なものが描ける面相筆

小筆:アルテージュ ナイロン キャメロンプロ 620 5/0号

③の筆よりも緻密な、点描やサインなどを描く時に使います。

アクリル絵の具におすすめの筆⑤大画面に活用出来るフィルバード

フィルバード:ホルベイン ナイロン ハードリセーブル 220F 14号

20号など、大きな画面を大まかに描いていく時に使います。

アクリル絵の具におすすめの筆⑥万能筆フィルバード

フィルバード:ホルベイン ナイロン ハードリセーブル 220F 6号
この筆は一番使用頻度が高いです!大まかに色をのせていく時に使います。

アクリル絵の具におすすめの筆⑦細部を繊細に塗る時に便利な面相筆

面相筆:ホルベイン イタチ毛 紫極面相筆 短峰 小
大きな画面の細部を塗る時に使います。
③の面相筆よりも穂先が短いため、
よりコントロールしやすい面相筆です。
その為、より繊細に細部を狙って塗っていくことが出来ます。

アクリル絵の具におすすめの筆⑧ぼかしやグラデーションに使えるファン

ファン(扇形):ホルベイン ナイロン リセーブル 500T 4号
雲を描いたり、グラデーションを作る時に使います。

筆以外に絵の具を塗れるもの

筆以外にも、絵の具を塗る時に使用出来るものは色々あるんですよ!
筆には出せないタッチが生れるので、新たな発見につながります!

ペインティングナイフ

パレット上で絵の具を混ぜたり、
キャンバスに絵の具を乗せていく時に使います。

油絵風に絵の具をしっかり乗せていきたい時や、
尖ったタッチにしたい時に最適です。

ひっかき傷を作ってみたりも!

AYAKA

ペインティングナイフを買わなくても
スプーンやバターナイフでも代用できるよ!

歯ブラシ

水分を多く塗ると、平筆のように
大きな面をフラットに塗る事が出来ます。

水分を付けずに塗ると、
連続したザラザラとしたタッチが描けます。

スポンジ

水分を付けずに、スポンジの目の細かい方でこすると、
柔らかいザラザラとしたタッチが描けます。

水分を付けずに、スポンジの目の粗い方でこすると、
尖りのあるザラザラとしたタッチが描けます。

AYAKA

スポンジはトントンすると、
ぼかしたり、グラデーションを作る時にも使えるよ!

ティッシュペーパー/キッチンペーパー

キッチンペーパーやティッシュに絵の具を少量付けてこすりつけると、
クレヨンやパステルの様な、優しいかすれが描けます。

枝

枝先に絵の具を付けて描くと、
面白いかすれの線を描くことが出来ます。

AYAKA

枝で文字とか描くと、
面白い字が書けそうだね!

指

自分の指も立派な筆として役立てる事が出来ます。

ぼかしたい時、
筆のテクスチャーとは違った曖昧なタッチにしたい時、
とにかく指は役立ちます。

AYAKA

なんか違う!と思ったら、指や爪を使ってみると、
そう!これ!この感じ!となる事が私は多いです。

ポイント
•山脈の尖った感じを描きたい時は
『ペインティングナイフ』がおすすめ!
•ザラザラしたタッチや、ぼかしには『スポンジ』がおすすめ!
•優しいかすれを作りたい時には、
『キッチンペーパー』がおすすめ!
•面白い線を描きたい時には
『枝』がおすすめ!
•
『指』はいかなる時にも使える!最強!

【サッと筆を探したい時の早見表】
お手頃価格なマルチ筆が欲しい!!      →ナイロンの丸筆、フィルバード
尖った感じを出したい!!          →フラット(平筆)、ペインティングナイフ
絵の具をこってりのせて厚塗りしたい!!   →豚毛の筆
細かく描けて、更にしっかり色ものせたい!! →面相筆
点描や文字など、とにかく緻密に描きたい!! →小筆(特にキャメロンプロがおすすめ!)
雲を描いたり、ぼかしを作りたい!!     →ファン(扇型)
背景やニスなど、画面を大きく塗りたい!!  →刷毛
グラデーションを作りたい!!        →フラット(平筆)、ファン(扇型)、刷毛
毛を描いたり、緻密な長い線を描きたい!!  →ライナー、スクリプト
木の幹や、ザラザラしたタッチを描きたい!! →豚毛の筆、スポンジ
筆の跡を残したくない!!          →指!!!

アクリル絵の具の筆を長持ちさせる洗い方・お手入れ

アクリル絵の具は乾くと耐水性となり、水に溶けなくなってしまいます。
何本か使用しながら絵を描いていく場合も、
頻繁に水に付けながら使用していく必要があります。

私も実際に、集中して描いていて、
もう一本の筆を水につけないまま数十分経過してしまい、
筆が終わったことがありました!


また、使用後の筆の洗い方も
長く使用していく上でとても大事なので紹介していきます。

綺麗な水の中で絵の具を落とす

水の中で筆をゆらゆらと揺すりながら、
絵の具を落としていきます。

ここで筆全体に付いた絵の具を大まかに落とします。

筆に石鹸を付ける

石鹸(中性洗剤)や筆専用のソープを筆に付けます。

動物毛(天然毛)は中性洗剤で洗っていると、痛みが早まるので、
専用のソープを使って洗う事をおすすめします。

しごきながら根元の絵の具を落とす

全体の絵の具が取れても、
根元にはまだまだ絵の具が残っています。

根元を軽く摘んでゆすったり、筆全体をしごいたりしながら
残った絵の具を洗い流していきます。

筆をすすぐ

水で筆に含ませた石鹸を洗い流していきます。

石鹸の泡に絵の具の色が移らなくなるまで、
『石鹸を付けてしごきながら洗う→洗い流す』
という流れを繰り返します。

穂先を整えて乾かす

洗い終わったら、布などで穂先の水分を拭い、
穂先を綺麗に整えて乾かします。

穂先を上に向けて立てかけて干しても構いませんし、
穂先を下にして、洗濯バサミなどで摘んで吊るして干しても構いません。

※ドライヤーで乾かすと筆が痛んでしまうので、絶対にダメです!

筆の替え時

ナイロンの筆は痛み始めると毛がそり返ってきます。

天然毛は痛むと毛が切れてきます。

こうなって来たら、かなり痛み始めている証拠です。
新しい筆と取り替えて下さい。

まとめ

最後までご一読いただきありがとうございました!
それでも『どれを買ったらいいのか分からない!』という方にはこちらをおすすめします!

まずは揃えたいこの4本!!!
・フィルバード:ホルベイン ナイロン ハードリセーブル 220F 6号
・平筆:ナムラ FT WA-H 16号

・面相筆:ホルベイン イタチ毛 紫極面相筆 短峰 小
・小筆:アルテージュ ナイロン キャメロンプロ 620 5/0号

初心者の方は、この4本を準備してみましょう!
背景、モチーフの塗り分け、細部の描き込みが
この4本で網羅出来るよ!



今回は私の視点からオススメする筆を紹介しましたが
使っているうちに、
『あ、こっちの会社の筆の方が塗りやすいな』
『この筆の方が出したいニュアンスで描ける』
という感覚が出てくると思います。

筆は安いものでは無いので、一気に買うと大変ですが、絵を描く用途に応じて、自分の表現にどの筆が1番しっくりくるのか、徐々に探してみてはいかがでしょうか?

また、
初心者さん向けのアクリル絵の具の基本的な使い方
の記事もありますので、併せてご覧ください♪

【初心者向け】アクリル絵の具の使い方と基本技法を経験者が徹底解説

by AYAKAのアクリルArt Book

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ABOUT US
Ayaka Kanematsuアクリル画家
私は19歳から15年間、舞台役者として生きていました。 でも、上手く行きませんでした。 努力は人一倍しました。したつもりです。 自分の関わる作品の台本は50回以上は必ず読み込んで、作家の意図が汲めるまで読み、役作りに挑みました。 でも、目の前まで行っても泡の様に消えてしまう。 私には舞台の仕事は向いてないのだと悟りました。 それでも、私は表現する事をやめたく無い。 役者で無くても、表現することは出来る。 表現は、表現者の思想を形にする事だから、形は違えど、私がやりたい事はきっと表現出来る。 舞台の世界は離れても、私は表現者として生きていく。 そんな想いで、今はアクリル絵の具で絵を描いています。 表現をしていきたいと、心を震えさせている全ての方の支えになれますように、私なりの配信をしていこうと思います。 経歴 高校卒業後、文学座附属演劇研究所に入所。 三年間の研究生を経て、文学座の劇団員になる。 その後、風間杜夫、堤真一、宮沢りえ、小池栄子など、沢山の役者と共演経験を積む。 劇団を退社し、フリーになる事を決意。 がしかし、ここから前に進めなくなる。 母の影響で、絵本の世界に出会う。 そして、突然絵を描き始め、演劇と共通する部分に惹かれ、アクリル画家になり、今に至る。